この記事では、英語書籍教材「英会話ペラペラ練習帳」を紹介します。
とうとう出てきましたスティーブ・ソレイシィさん教材。
ではレビューしていきましょう。
Contents
教材著者の紹介
著者:スティーブ・ソレイシィ(Steve Soresi)さん
フロリダ出身。
アメリカン大学政治・国際学部卒業、早稲田大学大学院政治研究科修了。
テレビ、ラジオ、雑誌などで幅広く活動。
NHK「はじめよう英会話」前講師。
「英会話は勉強でなく練習」をモットーに、多数の英会話教材を執筆・監修、どれも「本当に役に立つ」と大好評を博している。
主な著書に「英会話なるほどフレーズ100」など。
共著者:ロビン・ソレイシィ(Robin Soresi)さん
バージニア出身。
パンアメリカン大学卒業後、米国議員のスタッフを務める。
1972年フロリダに移住後、老人福祉関連のセミナーで講師として活動する。
在日中は、子供から大人まで、幅広い層への英会話教授の経験がある。
(以上、本書より抜粋)
教材の概要
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本書の基本情報です。
教材名:「英会話ペラペラ練習帳」
著者:スティーブ・ソレイシィ、ロビン・ソレイシィ
価格:1,400円+税
出版社:アルク
2001年6月1日 初版発行
(レビューしたのは2008年発行の第12刷)
◆テキスト
A5サイズ、243ページ。
◆CD
1枚付属/59トラック/52分。
レッスン1-50、ボーナスレッスン1-5、コーヒーブレイク1-4を収録。
以下、本書内容を詳しくみていきます。
学習内容の詳細
本書は、「50の基本フレーズで500通りの表現をモノにする」という内容です。
キーフレーズをコアとして、生活のいろいろな場面で自分のことばとして使えるようになるための「練習帳」です。
例えば、I'll get ~ というキーフレーズを使って、
- I'll get my dictionary.(辞書をとってくるね。)
- I'll get you some water.(水をもってきてあげるよ。)
- I'll get you something from the vending machine.(自販機で何か買ってくるよ。)
のように、どこでも活用できるようになることを目的とします。
練習のしかた
Lessonパートでは、「問題にチャレンジのページ」と「答えと練習のページ」でひとつのフレーズを学ぶようになっています。
まず「問題にチャレンジのページ」では、キーフレーズがブランクになっているので、なんといえばいいか考えてみます。ここではCDは使いません。
ページをめくると、「答えと練習のページ」になっています。
ここではブランクには解答のことばが入っているので、解答をチェックします。
できなかったところは再チャレンジ。
全部解いてまとめて答えあわせをするのではなく、
「1問考えるたびにすぐに答え確認→再チャレンジ」
を繰り返すことで、瞬発力もつけていきます。
その後CDにあわせてトレーニングします。
CDは英文音声が順に朗読されるだけで、日本文は収録されていません。
CDでどんなトレーニングをすればいいかは解説されていないのですが、一文ごとにリピーティングできるぐらいの空白があるのでリピーティング、シャドーイングはできます。
実践パートの内容は以下のとおりです。
Lesson 1-50
メインの練習フレーズです。
ここで学ぶキーフレーズの例を挙げておきます。
- I'm thinking about ~ing.(~しようと思っている)
- There's ~.(~がある)
- I saw ~.(~に会った)
- I ran into ~.(~にばったり会った、出くわした)
- ~ what-cha-ma-call-it.(ほら、あれだよ)
- ~ hurts.(~が痛い)
- I have ~.(~の病気にかかっています)
- I can't wait ~!(~を待ちきれない、~したくてたまらない)
Bonus Lesson 1-5
似ているが微妙にニュアンスの違うフレーズをまとめて学ぶレッスンです。
- 目的地にたどりつくためのベスト対策 10STEPS
- 「たぶん・・・かな」推量の表現 TOP9
- 「いかがですか」「やっぱりやめます」誘いのことばと断り表現 TOP10
- 「あぁ、そうなの」じょうずな相づち TOP10
- 「がんばって」「がんばります」励まし表現 TOP10
Coffee Break 1-4
- Steveの巻・・・30秒間に5つの英文をいうトレーニング
- Robinの巻・・・身近で「はやっているもの」についていってみる
- Sashaの巻・・・週末の予定を言ってみる
- 最後にもう一度、Steveの巻・・・30秒で7つの文に挑戦
ペラペラ練習帳逆引きINDEX
本書で出てきたフレーズを日本語から引く索引です。
ページ左側が日本語、右側が英語なので、右半分を隠せば瞬間英作文の練習ができます。
本書の内容は以上です。
イマイチな点
- 「問題にチャレンジのページ」では英文が部分的にブランクになっており、たぶん取り組みやすいように配慮しているのだと思いますが、なんだかかえって難しい・・・(後述)
総評
「英会話ペラペラ練習帳」の総合評価・・・C評価(良い点もあるがおすすめしづらい教材)
今となっては超有名なスティーブ・ソレイシィさんですが、今回の教材はちょっとイマイチでした。
◆本書「はじめに」に書いてあることはとても良かったんです。
・・・そのとき思ったのだ。フレーズの数や分厚さで本を買うな。本当に力を身につけたいなら、厳選したフレーズがのっている、やりきることのできる本がいい、と。
電車内で英単語カードを食い入るように見つめる学生を見るたびに思う、「英語を先に見ちゃだめ!」と。英語を見て和訳するだけでは、英語を話すブレーンは育たない。
つまり僕が意図したのは、大切なフレーズをちゃんと「練習」できて、本当に身につけられる本。
上記いずれも、「ごもっとも」、「その通り」だと思いました。
◆しかし本書の中身は
......あまり「練習」しやすいと思えませんでした。
「問題にチャレンジのページ」で、単語が部分的にブランクになっている(2~3文字が与えられている)のですが、なんか中途半端だなと。
ヒントのつもりで2~3文字だけ書かれていますがあまり役立っていないというか…
かえってスムーズに英文を作るのを妨げている感じがします。
キーフレーズは最初に提示して、それを使う応用例文をまるまる日本語から英語に直す練習にすれば、練習しやすい教材になったんじゃないかと思います。
この本でフレーズを覚えて話せるようになった人もいるかもしれませんが、私は練習しづらくてムリでした。
やっぱり「毎日の英文法」が練習しやすいと思います。
◆一方、良い点としては、レッスンのフレーズのニュアンスや使いわけの留意点が解説されている点です。
この部分で、例えば
相手の予定をきこうと思って、予定=未来だからとWill you...?といってはだめ。これだと、まるで頼んでいるようなニュアンスになってしまうからね。こんなときは、[Are you+ -ing?]で。
体の部分を指すときにはかならずmy handのようにmy, yourなどの所有格をつけること。日本語にはない発想だから、プラクティスして覚えておいて。
「たぶん・・・と思う」というとき、80%の確信があれば、[I think...]。でも、この文中に maybe を一緒に使ってはだめ。maybeは50%の確信があるときに、単独で使うこと。
[What...?]は、具体的な名前をききだすときの表現。What movie...?なら映画の題名が答えとして期待できる。What kind of...?は、ジャンルをきくときのフレーズで、具体的な名前をきくときには使わない。
などなどなど、学校ではたぶん習わないネイティブ感覚に基づいた解説が書かれています。この部分はとても良いと思いますね。
以上、ソレイシィさん教材レビュー第一弾「英会話ペラペラ練習帳」でした。
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