この記事では、英語教材「みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング」のレビューを書いています。
こんにちは。
英語を身に付けるのに音読が重要、としばしば聞くと思います。TOEIC満点講師の方々も音読を推奨しています。
ここで、そもそも「音読」とはどういうものでしょうか?
(そりゃ、声を出して英文を読むことでしょ)
と、言いたくなりますよね。
では、
「英文を見て読むのが音読?
覚えている英文を読むのが音読?
音声を聞いて読むのが音読?
音声に重ねて読むのは音読とは言わないの?」
等々と聞かれると、
(・・・よくわからない。)
というのがふつうの反応だと思います。音読とは何か?についてあまり真剣に考えたことがないですよね。
「音読とは○○である」という厳密な定義はないとおそらくないだろうし、別に定義する必要もありません。しかし、「英語を身に付けるには音読が重要!」というのなら、具体的にどうすればいいか知りたいですよね。
そこで、今回は「みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング」を紹介します。
本書は、「音読」を実践する方法を手順レベルまで解説するとともに練習用素材(文章、音源)も付属している英語教材です。本書を読むことで音読をする意義、効果、留意点、練習量の目安などを理解することができます。
では教材のレビューをしていきましょう。
Contents
教材著者は有名な森沢洋介氏。
本書の著者の森沢洋介氏は、日本国内で英語を習得するメソッドを自分で開発し、現在は英語学習法指導を主眼とする六ツ野英語教室を主宰している方です。
有名な「瞬間英作文」シリーズは絶大な支持を得ています。
当ブログでも森沢氏の主要教材を紹介しています。
森沢氏の推奨学習メソッドはケタ違いの反復量が特徴です。
よくある「たった○○日で~」「聞き流すだけで~」といったお手軽さをウリにする英語教材とはまったく逆方向ですが、森沢氏に共感してメソッドを実践する学習者も多いらしく、森沢式メソッドで効果が上がったという報告がネット上に多数見られます。
教材の概要
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教材はテキストとCDで、基本的には自宅で(声を出せる環境で)学習する教材です。
◆テキスト
B6サイズ 173ページ。
最初の部分は音読の方法論が書かれており、残りは練習用の英文、和訳、語注、文法・フレーズ解説等。
ちなみに和訳文は瞬間英作文練習に使うことも考慮して直訳的な文になっています。
◆CD 2枚付属、いずれも約78分。英文朗読はネイティブ話者担当。
CD1
ゆっくりスピードと通常スピードの音声を収録。※通常といってもTOEICより少し遅いぐらい(感覚的)。いずれもリピーティング用ポーズなし。
CD2
ゆっくりスピードと、ポーズ入りゆっくりスピードの音声。
学習内容の詳細
「音読パッケージ」とは、本書に含まれるテキストとCDのことを言うのではなく、音読・リピーティング・シャドーイングをまとめて行うトレーニングです。1つのテキスト素材からこれら3種類のトレーニングを行うことで、効率よく効果を引き出すことができます。
「はじめに」を含め、本書のp.37までは音読パッケージトレーニングの方法論についての解説パート、それ以降が練習パートになっています。
音読パッケージとは
音読パッケージトレーニングの必要性、パッケージトレーニングにすることの利点、素材の選び方などが書かれています。
本書を使った音読パッケージの行い方
練習パートに入る前に熟読すべき部分です。他の素材で練習する場合にもここの内容は理解している必要があります。トレーニングの種類とやり方(リピーティング、シャドーイングなど)、トレーニングの流れなど具体的な手順が解説されています。
レベル向上と音読パッケージトレーニングの変化
練習を重ねて上達してきたときの対応方法について解説されています。
Program One ~ Program Nine
ここから練習パートになります。
プログラム1-9まで、40の例文が収録されています。
テキストは左側が例文、右側が和訳と語注です。語注には発音記号も記載されています。
Notes
上のプログラム1-9の各例文で重要な文法事項や表現をピックアップ解説しています。
私と音読
筆者の英語およびフランス語の習得過程で、音読パッケージトレーニングがもたらした劇的な効果について書かれています。
森沢氏の他の教材と同じく、変な演出なしに淡々と体験談を語っているので逆に説得力があって良いです。
教材内容は以上です。
「みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング」の評価
教材コンセプトは?
音読・リピーティング・シャドーイングをパッケージすることで、一つのテキストから最大限の効果を得るメソッドがこの教材のコンセプトです。
音読やリピーティングといった学習法は古くからあるものですが、それら要素トレーニングをサイクル化して行う具体的な手順が解説されている点と、森沢氏自身の学習経験や生徒の指導実績に裏付けられていることに本書の意義があります。
効果が出ると期待できるか?
個人差はありますが、本書の手順にそってトレーニングを続けることで効果は上がると期待できます。
一つの素材でのトレーニングを卒業していいかどうかの判断基準も解説されているので、素材を準備してトレーニングを続ければ継続的に上達していけそうです。
実践可能な内容か?
本書は音読やリピーティングの技能的な面よりも、どういう順番でそれらのトレーニングを組み合わせるかが主眼なので、実践自体は誰でもできます。ただし森沢氏のメソッドがいつもそうであるように、初心者ほど反復ノルマが多いので、初期は特に忍耐力とモチベーションの高さが求められます。
この英語教材のイマイチなところ
- 発音そのものについてはほとんど解説されていない点。
- 「ダブルカセットデッキを使用した、ポーズ付き音源の作り方」が解説されているが、ちょっと時代にそぐわない点。
総評
「みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング」の総合評価・・・評価A(優れている教材)
音読・リピーティング・シャドーイングを組み合わせて、一つのテキストから最後の一滴まで効果を絞り出す学習方法が解説されています。音読音読といわれても何をどうすればいいかわからない人(ほとんどの人がそうでしょう)にとっては学習ガイドとして非常に有効な内容です。
「○○をやれ」と天下り式に無責任に書いている本ではありません。
「○○を続けてみて、~な状況になったら○○をしてください」という調子で、上達してきたらどうすべきかについても親切に解説してくれているところが良いです。
音読トレーニングを習慣化している人も、一度は本書の前半部分を読んでみると、ブレイクスルーのきっかけになるかもしれません。
以上、「みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング」のレビューでした。
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