こんにちは。
いい書籍教材を見つけました。
この記事では、英語書籍教材「毎日の英文法 頭の中に「英語のパターン」をつくる」のレビューを書いています。
ではレビューしていきます。
教材著者の紹介
著者 James M. Vardaman(ジェームズ・M・バーダマン)さん 略歴
1947年、アメリカ、テネシー生まれ。
ハワイ大学アジア研究専攻、修士。
早稲田大学文化構想学部教授。
「アメリカ黒人の歴史」「ロックを生んだアメリカ南部 ルーツミュージックの文化的背景」など著書多数。
(以上、本書カバーより)
教材の概要
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ひととおりの基本情報を書いておきます。
◆書籍タイトル:
「毎日の英文法 頭のなかに「英語のパターン」をつくる」
ほぼB6サイズ、158ページ
朝日新聞出版
2012年9月30日 第1刷発行
1,200円+税
◆本書中の英文朗読音声(MP3ファイル)
朝日新聞出版ウェブサイトよりダウンロード可能。
学習内容の詳細
本書は以下のように構成されています。
◆本書の効用
英語を話せるようになるために必要なこと、本書の特長、本書をやることで得られるもの等について書かれています。
著者バーダマン氏が日本に来て日本語を習得するときに実践したトレーニングが、本書のもとになっているとのこと。
本書は「毎日の英文法」というタイトルなのに、
多少の文法の間違いなど、全く気にする必要などありません。
と書かれているのが面白いです。
◆トレーニングメニュー
本書を使ったトレーニングについて、具体的な手順が解説されています。
◆毎日のトレーニング
トレーニングの実践課題の部分です。
55の文法項目ごとに練習英文7つ、パターンプラクティス用英文7つ、計770の英文が用意されています。
実践パートは、下の写真のように文法項目ごとに見開きになっていて、以下のようにレイアウトされています。
左ページ上段:文法の説明
左ページ中段:基礎トレーニング英文
左ページ下段:入れ替えトレーニング英文
右ページ上段:ゆるーいイラスト
中段/下段:左ページの英文の訳
練習用の英文は、著者バーダマン氏が
アメリカに帰省するたびに、日常場面でよく耳にし、テキストになり得る表現を書き溜め、吟味した上で掲載しました。
(「本書の効用」より)
と書いているように、日常会話フレーズになっています。
使いそうもない例文を練習するのは苦痛なので、会話フレーズになっているのはありがたいですね。
文法項目としては以下のようなものが挙げられています。
文法項目(一部)
- 普段形・一般形(現在形)
- Do...?を使った疑問文
- be動詞
- 存在と位置を示す There is / are...
- itが指すもの
- That is と This is の使い分け
- 「自分のものにする」have
- 現在進行形
その他、「毎日の急所」という名のコラムとして、以下のような項目も解説されています。
コラム「毎日の急所」
- 「今から」時間と「そのときから」時間
- 数えられる名詞と数えられない名詞
- 冠詞の基礎
- 主要不規則動詞一覧
巻末には、本編で扱わなかった「完了形」関連の時制の解説があります。
日常会話で使う頻度が低く優先度が低いため、余力がある場合に取り組めばいいとの配慮です。
なかなか思い切りの良いつくりですね。
気になる点/イマイチな点
価格からすれば内容は文句なしです。
「フレーズ集+文法解説」が、コンパクトにまとめられています。
気になる点をあえていうなら、タイトルと中身が食い違っている点かなと。
中学英語ができている人にとっては、文法の本ではなくフレーズ集にしか見えません。
一方、フレーズ集を探している人は、「毎日の英文法」という本書タイトルを見ても中身がフレーズ集だと思わないだろうから(私もまったく想像していなかった)、もったいないかもしれませんね。
向いている人・向いていない人
向いていない人:
・いわゆる文法書(細かい文法事項まで網羅している)を求めている人には向いていません。
・専門的な文書の読解、翻訳、英訳などをする人にとってもあまり参考になりません。
向いている人:
・「専門的な文法知識は必要ないけど、日常英会話ぐらいは・・・」という人のための本です。
・単なる表現集ではなく、文法要素を軸にまとめられているので、中学文法の復習をしつつ英会話学習につなげたい人には最適。
総評
「毎日の英文法 頭の中に「英語のパターン」をつくる」の総合評価・・・A評価(優れている教材)
文法項目を解説していく本かな~となんとなく思っていたのですが、中身を見てみると、良い意味で想像を裏切られて、とても使える教材だと分かりました。
中身は文法の解説というより「英会話教材」そのものです。
繰り返し声を出して読むことで、日常会話の頻出フレーズを覚えられるようになっています。
本書の素晴らしい点は
- 英文音声が提供されている
- 英文が左ページ、日本文が右ページと分離されている
- 具体的なトレーニング手順が示されている
という3点です。
英文音声があるので音読・リピーティング・シャドーイングができます。
また、英文と日本文が分離されたレイアウトなので、音読できないときでも英文を隠して日本文から英文に直すトレーニングができます。
意外とこの条件を満たす英会話フレーズ集を見たことがないので(書籍教材で)、ここにきてやっと出会えたという感じです。
英文音声は、ぎりぎりリピーティングできるぐらいのポーズ時間が設けられています。
リピーティングが難しかったら一時停止するか、シャドーイングするか、まあそのぐらいの工夫は学習者ですればいいかなと思います。安価な書籍教材なので・・・
英文法自体に対しては、ポイントの解説のみとなっているので、がっつりと文法を勉強したい人は別の文法書のほうがいいでしょう。
(おすすめ文法書:表現のための実践ロイヤル英文法)
英会話をするのにどうしても必要となる項目にしぼって解説されているので、日常会話習得目的の人にとっては、むしろ実用的でいいんじゃないかと思います。
フレーズ集というと、1500とか2000とかの例文を収録している書籍がありますが、本書は繰り返し練習することを重視して、比較的少なめの770例文に抑えられています。
その結果、紙面のレイアウトがすっきりしていて見やすく、使い勝手も良いです。
ということで現時点で私が知っている中では一番「使える」フレーズ集です。
おすすめです。
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◆日常英会話フレーズの英語教材といえば、
「7+English(セブンプラスイングリッシュ)」です。
世界的に知られている「七田式メソッド」を実践すれば、効率よく長期記憶に残るようにフレーズを習得することができ、実際の会話場面でサッと英文が出てくるようになります。