今回は、英語教材「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」のレビューです。
本書を読む前の印象(先入観)を書いておきます。
- けっこう有名な本らしいぞ。
- カバーのイラストや表紙、帯の手触りがいい感じ。
- 「イラストで文法を理解する」系の本だろうか。(絵で理解するのは苦手なんだが・・・)
中身はどうでしょうか?レビューしていきましょう。
教材著者の紹介
(以上、本書カバーより抜粋。出版当時の内容ですのでご了承ください)
教材の概要
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基本情報を書いておきます。
レビューには2002年発行第15刷のものを使用しました。
◆テキスト
B6サイズ、171ページ。
◆CD等
なし。
以下、本書内容を詳しくみていきます。
学習内容の詳細
本書は、英語のしくみを理解することを目的としています。
より詳しくいうと、
英語はまず「文型」から。「文型」を理解すればどんなに長い文がきても大丈夫だからまっさきに文型をマスターする!
というものです。
準備編
第一章 準備運動
ここでは、英語学習に関する著者の想いが語られています。
英語はとにかく、まず「読む」ことです。
「読む勉強ばかりで話す学習をしないから日本人は英語ができない」とよく言われますが、著者に言わせると、「英語を読まなさすぎだから英語ができない」が真実とのことです。
練習編1
第二章 基本形
第三章 付録
第四章 箱と矢印
英語の主要文型について学びます。
イラストをふんだんに使って解説されています。
練習編2
第五章 化粧品と化粧文
第六章 区切り
第七章 イコール文
第八章 カスタムアレンジ
いわゆる「修飾」(形容詞句、副詞句)について学びます。
実践編
第九章 文を読む
第十章 パラグラフを読む
第十一章 物語を読む
実践ということで、第十一章でまとまった長さの物語を読むのですが、第九章、第十章はその準備で、いろいろな文(疑問文や無生物主語の文)を学びます。
応用編
第十ニ章 特別な化粧品
第十三章 接着剤
ここでは発展的な学習として、冠詞(aとthe)や前置詞(in、on、at・・・)について学びます。
本書の内容は以上です。
良い点/イマイチな点
【良い点】
- 英文の骨格をなす「主語」「述語」「目的語」「補語」を意識して英語を読むことができるようになる。
- テキスト紙面がカラフルでしゃれている。イラストも脱力系で、リラックスして読める。
- また英語・日本語ともゴシック系の(とがっていない)フォントで統一しているのもいい感じ。
- 文字の色でなく背景の色を変えてハイライトしているので目に優しい(気がする)。
【イマイチな点】
- 「イラスト」と「比喩(たとえ)」で英文構造を解説してくれているのですが、「イラスト」も「比喩」も直感的に理解できてこそ効果があるものです。しかしながら私は本書の「イラスト」や「比喩」を見ても、パッと理解できませんでした。
本書が向いている人
- 英語の5文型を理解したいけど通常の文法書を読もうとするとどうしても挫折する・・・という人。
- イラストがあるほうが理解しやすいという人。特に、猫が好きな人。
- 洋書を読めるようになりたいな・・・と思っている人
総評
「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」の総合評価・・・C評価(良い点もあるがおすすめしづらい教材)
予想どおり、「イメージで理解する」ことを狙いとした本でしたが、私個人はイメージで理解するのが苦手なので、本書はあまりわかりやすいと思えませんでした・・・
せっかく可愛らしいイラストが盛りだくさんなのに、そのメリットを享受できないのはもったいないですね。
人によっては「イラストで理解できる!わかりやすい!」という感想を持つ人もいると思いますが、自分がわかりやすいと思わなかったものを人におすすめするのはちょっと・・・ということで「おすすめしづらい教材」となってしまいました(※個人の感想です)。
一方、本書の良い点は、あれこれといろんな文法項目を網羅しようとせず、とにかく「主語・動詞・目的語・補語を見つけて文構造を把握する」ことにすべてをかけている点です。
これは一理ありますね。
他の本で学習するにしても「文型」は大切です。
以上、「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」のレビューをお送りしました。
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