今回は英語書籍「基本のパターンで英会話フレーズ800」について書きます。
結論から言うと、おすすめしづらい教材でした。
使い方次第かもしれませんが、少なくとも私はうまく「使える」方法を見つけられません・・・
レビューしていきます。
教材著者の紹介
◆著者 伊藤 太(いとう ふとし)さん
株式会社Weness代表取締役社長。
予備校の英語講師、一部上場企業管理職等を経て、現職。
講師時代には、東大入試の英語長文問題を的中。
現在は、全国の大学・高校、企業、専門学校等に対し、グローバル教育に係るコンサルティング、研修、英語の出張授業等のサービスを提供。
◆著者 Gary Scott Fine(ゲーリー・スコット・ファイン)さん
東海大学高輪教養教育センター准教授。
主な研究テーマはエターテイメントメディアを通じた第二言語習得。
NHK Eテレ「ニュースで英会話」出演、「リトル・チャロ」2、4、「プレキソ英語」監修。
NHKラジオ「英会話入門」「英会話上級」執筆・監修。
通信講座「1000時間ヒアリングマラソン」執筆・出演など幅広く活躍。
教材の概要
![]() |
基本情報をひととおり書いておきます。
◆本体
B6サイズ、191ページ。
◆フレーズ音声
出版社ウェブサイトから無料ダウンロード可能。
教材形態としてはよくあるタイプであまり特記すべき点がありません。
紙が厚めなためちょっと開くのに力がいるとか、そういう細かいことぐらいです。
学習内容の詳細
よくある、日常の会話フレーズを覚えよう!という教材ですが、著者によれば、執筆のポイントは
- 「特定の各場面で必要な言い方をすべて暗記する」構造になっている一般の英会話本は、最初は良くても、「必要だから覚える」のがだんだん苦痛になってくるので、場面ごとにブツ切りにしないことにした。
- 「これ面白い、使ってみたい」と感じられる例文になるよう趣向を凝らした。
とのことです。
そんなわけで、本書では場面ごとではなく、なんとなく次のようなカテゴリ分けで、会話パターンがまとめられています。
Chapter1 会話のきっかけ17パターン
Could you ~?
(~していただけますか)
Thank you for
(~をありがとう)
Excuse me
(すみません)等
Chapter2 気持ちが伝わる21パターン
I wanna ~
(~したい)
Let me ~
(~させて)
How about ~?
(~はどう?)等
Chapter3 言えると助かる21パターン
Do you mind ~?
(~していただけませんか)
I was wondering if ~
(よろしければ~していただけますか)
Do you know ~?
(~か知っていますか)等
Chapter4 デキる大人の19パターン
I'm on ~
(~しているところです)
It seems ~
(~のようだ)
I'm sure
(きっと~だ)等
このようなパターンが78パターンあり、フレーズが800(数えてないけどたぶん)収録されています。
テキストは見やすい見開きレイアウト
テキストは下の写真のようになっています。
左ページではパターンの意味・用法・ニュアンス・文法事項などの解説。
右ページはそのパターンを使ったフレーズ例と練習用穴埋め問題というレイアウトです。
ちょっとブラックな感じもする1コママンガも描かれています。
音声ファイルでリピーティング練習
例文を収録したMP3音声ファイルはダウンロードで入手して解凍して使います。
パターンごとにファイルが分けられているので、練習するパターンの音声を見つけるのに便利です。
音声は、
英文→空白→日本語訳
という順で流れてきます。
空白時間は、英文をリピーティングできるぐらいの長さがあるのでリピーティング練習に使うことはできます。
教材の構成としては以上なのですが、実際どうやってフレーズを覚える練習をするのかが解説されていませんでした・・・。
総評
「基本の78パターンで英会話フレーズ800」の総合評価・・・C評価(おすすめしづらい教材)
なんとも残念。
というかこれが「普通レベル」のフレーズ集かもしれませんが・・・
取り上げられているフレーズはたいていの教材に載っている標準的なものだし、ほどほどにニュアンスや使い分けの解説が書かれている点や、例文が短めで分かりやすい点など、テキスト内容は悪くないと思います。
テキストを開いて英文を見て、ああこういう意味なのか、と理解するのには役立つでしょう。
しかし、英文のすぐ下に日本文が書いてあるので、テキストを見て日本文を英文に直す練習ができません。
英文を見ると自然と日本文も目に入ってくるので。
フレーズ集は、覚えてなんぼ。理解できただけでは英会話できるようになりません。
また、音声ファイルがダウンロードできるのは良いですが、英文→日本文の順で音声が流れてくるから、やはり日本文から英文を作る練習ができません。
日本文が先なら、空白時間に英文を言い、正解を聞いて確認する「瞬間英作文」的な練習ができるのに・・・
かろうじて英文と日本文の間に空白があるので、リピーティングできるのがせめてもの救いでした。
近年の英語教材はかなり実践(アウトプット)重視のものが見られるようになりましたが、まだ主流になっているわけではないようですね。
ということで、
フレーズ集は、「どうやって覚えるか」ちゃんと考慮されたものを選びましょう。
![]() |
◆日常会話フレーズ集と効率的記憶術が融合した「超実践型」英語教材はこちらです