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総合英語Forest(石黒昭博さん)のレビュー


あまりに有名なのでいまさらレビューするのも気が引けるような英語教材というのがあります。

 

フォレスト

 

今回紹介する「総合英語Forest」も非常に有名な本なのでいまさら何か書く必要もないわけですが、とにかくレビューをします。

「あんな有名な本を知らないで英語教材ブログやってるの?」と言われたくないという思いもあるので。

 

では、いつものように教材著者の紹介から。

 

教材著者の紹介、のはずが、ちょっとびっくり。

「総合英語Forest」監修者は、同志社大学元名誉教授の石黒昭博さんという方です。

本書巻末に略歴が載っていると思ったら載っていなかったので、発行元の桐原書店HPを見てみると、なんと!

総合英語 Forest フォレスト[7th edition]  【在庫限り 販売終了】

だそうです。

 

どういう事情があるかわかりませんが、こんな有名な本でも販売終了ってあるんですね。マイナーチェンジして別名で新発売したりするんでしょうか。車とかならまだしも、こういう本は世間的な認知度を得るのが大変だからそのまま売り続けるほうが絶対いいと思うのですけど。大人の事情でしょうか。

 

とはいえ私の手元に本書があるのは確かなのでそのままレビューします。

 

教材の概要

◆総合英語Forest(フォレスト)

「文法の森」になぞらえてForestと命名。

桐原書店、1999年初版発行。

学習対象者は、高校1年~社会人。

 

私が持っているのは、2013年発行の7th Edition。これが最終版ということになります。

 

CD付きの姉妹教材もあるようですが、本書はテキストのみの文法書です。

分厚く重いですが、やわらかくて開きやすい感じです。

 

例文のフォントがTimes new roman系なのは好みが分かれるところかもしれません。キリッとしてかっこいいんですが、ちょっとしつこいと感じる人もいるかも。

 

 

CD等がないので、読んで理解するのが教材の使い方になります。

 

学習内容の詳細

「総合英語Forest」のコンセプトは下のとおりです。

本書は、英文法のルールの「なぜ」がわかることを主眼に編集しました。(本書はしがきより)

本書は「第1章 文の種類」から「第24章 接続詞」まで、文法項目ごとに章分けされています。

さらにそれぞれの章は、基本的に次の「3Partシステム」で構成されています。

 

Part1 これが基本

Part2 理解する

Part3 深く知る

 

本書全体だとボリュームが多いので、「第3章 動詞と時制」を例にとって説明します。

 

Part1これが基本

各章Part1では、イラストが多用して、文法が表す概念を理解しやすいように解説してあります。第3章では、動詞と時制がテーマですが、英語学習でいうところの「現在形」、「進行形」といった「時制」がそもそもどんな状況を表すのか、原則的な捉え方を学びます。具体的には下のようなことが解説されています。

 

  • 現在形が実際に現す様子とはどういうものか
  • 過去のことであっても現在形で表現する場合がある理由
  • 現在進行形が実際に表す意味
  • 「~している」を現在進行形で表現してはいけない場合がある理由
  • 過去形と過去進行形の意味の違い
  • 未来のことを表現する方法4つとそれぞれの使い分け

 

フォレスト本編

 

このPart1では例文は少なめで、日本語による解説がメインになっています。単なる文法項目垂れ流しではなくこのような前提部分の解説があるのは良い点です(私が高校生だったころにはこういう教材を見たことがありませんでした)。

 

Part2理解する

Part2では例文を軸として、文法項目のもっとも標準的な用法を学んでいきます。

 

◆現在形と現在進行形

現在形、現在進行形はそれぞれどんな状況で使われるか?を学びます。

  • 基本となる「ターゲット例文」5個、理解を深めるための「比べてみよう」例文4個、「進行形にできる動詞としない動詞」を解説する例文5個。
  • 進行形にしない動詞24個
  • 「Check(例文中の動詞が現在形と現在進行形のどちらが適切か選ぶ練習問題)」4問。

 

◆過去形と過去進行形

現在形、現在進行形についても、表現する状況の違いを意識しながら学びます。

  • 「ターゲット例文」5個、過去形・過去進行形の用法を学ぶ例文5個。
  • 「Check(例文のカッコ内の動詞を適切な形に変える練習問題)」4問。

 

◆未来を表す表現

未来を表す各表現とその使い分けの観点について学びます。「単純未来」と「意志未来」など、例文と和訳だけでは理解しにくい要素についても解説されています。

  • 「ターゲット例文」7個、「比べてみよう」例文2個、未来進行形を学ぶ例文3個。
  • 「Check(日本語の意味に合うように例文のカッコに適語を入れる練習問題)」3問。

 

下の写真は少し暗くて分かりにくいですが、ターゲット例文は背景を黄色にして目立たせてあります。ザーッとターゲット例文だけ見ていけば基本構文をおさらいできるように意図されているようです。

 

 

Part3深く知る

3Partシステムの最終パートであるPart3では、より高度で発展的な内容について学びます。Part1、2と比べて何が高度で発展的かというと、後の章で学ぶ項目を含んだ内容になっていることです(例えばこの第3章Part3で、第11章や第24章の内容を含む例文があること)。そのため、Part1・Part2だけで本書を1周したあと、戻ってきてPart3を学ぶというのが理想です。

 

◆時や条件を表す接続詞の後で用いる現在形

  • 「ターゲット例文」2個、その他の例文7個。
  • 「Check(カッコ内の動詞を正しい形に直す練習問題)」3個。

 

◆進行形の注意すべき用法

  • 「ターゲット例文」5個。
  • 「Check(例文を日本語に直す問題)」3問。

 

◆未来を表すさまざまな表現

  • 「ターゲット例文」6個。
  • 「Check(文中のカッコに適語を入れる問題)」4問。

 

 

この「Part3 深く知る」は、文法というより表現・語彙の学習要素が強いです。例えばここでは未来を表す表現として

  • be about to ~
  • be on the point of ~
  • be to ~

が示されています。文法項目としての基本を形作るPart1・2と、表現の引き出しを増やすためのPart3というように、段階的に学べるようになっているのは本書の優れた点です。

 

さくいんが充実

本書「総合英語Forest」は、さくいんが充実しています。

 

◆日本語さくいん

「応答疑問文」「間接話法」「独立分詞構文」など、文法項目の名前で、その関連箇所を引くことができます。まぁあまり文法用語を調べる機会はないかもしれませんが・・・他の本を読んでいて文法用語が出てきたときに「これって何のことだっけ」と思ったとき、便利かもしれません。

 

 

◆英語さくいん

about、admitなどの「単語」、a lot of、according to などの「イディオム」、All you have to do is...などの「フレーズ」など、なんでも引くことができます。これも便利です。

 

しかし気になるのは、例えば

be covered with

を調べようとしたときに、

”B”の箇所に記載されているので、語句を特徴づけているcoverの頭文字Cの箇所を調べても載っていないことです。

辞書と違うので少し戸惑うこともあるかもしれません。

 

 

◆機能別さくいん

英会話での「機能」の面から例文を分類し、記載ページを引くことができるさくいんです。例えば

 

「あいづちを打つ」

→"Ichiro hit a home run yesterday." "Oh, did he?"

 

「相手の調子を尋ねる」

→"How do you feel?" "I feel fine."

 

など。文法書にこんな英会話を意識したコンテンツがあるのは意外でした。

 

 

「総合英語Forest(フォレスト)」の評価

教材を独自視点で評価しています。

 

教材コンセプトは明確か?
英文法のルールの「なぜ」が分かることがコンセプトとされています。教材構成として「3Partシステム」の形をとることで学びやすくしています。

 

学習効果が期待できるか?
期待できます。文法項目を調べるときに、どういう状況を表す文法なのか(→Part1これが基本)、基本的な使い方・例文はどういったものか(→Part2)、応用的な表現はどんなものか、細かな使い分けの留意点はどういった点か(→Part3)というふうに階層的に理解を深めていけるようになっています。

 

実践可能な内容か?
本書を英語教材として実践する=読むだけなのですが、じっくり655ページを読破するよりは、自分の興味や必要性に応じて、読みたい章を読むという使い方になるでしょう。

 

総評

「総合英語Forest(フォレスト)」の総合評価・・・A評価(優れている教材)

 

すでに販売終了が決まってしまった「総合英語Forest」をレビューしてきました。

本書の全体的なまとめとしては下のようになります。

 

  • 3Partシステムにより段階的に理解を深めていけるよう構成されている
  • 各章Part3は、文法理解に加えて表現力の面も重視している
  • 文法項目ごとにまとめられている上、3種のさくいんがあるので、「調べる」ときには便利

 

一億人の英文法」とは対照的に、本書の例文に使われている単語は平易で、例文も当たり障りのない無難な内容の文ばかりです。面白みには欠けるかもしれませんが、単語や文の意味が気になって文法の理解を妨げるよりは良いと思います。本書は「構文・ルール・整然性」を重視、一億人の英文法は「感情・ニュアンス・イメージ理解」を重視しているという印象です。コンセプトが違いますね。

 

個人的には、文法書には「楽しさ」「エンターテインメント性」を求めるよりも、調べたいことをすぐ調べることができ、立体的に網羅的に解説されていることを期待します。何かを調べて、一度解説を読んですべて理解できれば良いですが、たいていはそうはいかないので何度も調べ、何度も解説を読むことになります。そういう観点ではこの総合英語Forestは、文法項目ごとに整理された章構成と3種類のさくいんによりアクセス性が良く、使い勝手の面で優れています。

 

販売終了が決まっている有名英語教材「総合英語フォレスト」のレビューでした。

 

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