音読中心の学習でTOEIC自己ハイスコアを更新し、980点に到達した話を書きました。
2018年内に取れるとしたら980点くらいかな〜。取れたらいいな〜。と思っていたので結果に対しては満足なのですが、試験直後は満足感や達成感よりも、「まだまだ感」のほうが大きかった…というのが本音です。
以下、10月の試験で見えてきた課題をパート毎に書いてみます。
パート1
以前の記事で書いた「stool」のように、パート1では、他のパートには「めったに」あるいは「まったく」出ない特有の単語が出題される可能性が常にあります。
簡単なパートと思いがちですが、知らない語彙が出るとあせってリズムを狂わされるリスクすらある。これがパート1の怖さです。
また、パート1をどんな気持ちで終えるかが、その後のパートの出来に影響を与えます。
パート1で難なく全問回答できればパート2以降にフルに集中できますが、1問でも怪しい問題があると、「パート2でミス出来ない…」と余計なプレッシャーがかかります。
ですから、パート1もしっかり対策をして臨むべきだと強く感じました。
パート1における難問としては、だいたい次の3つが代表格です。
1.「受動態の進行形 VS 現在完了形」
(is being 〜edとhas been 〜ed)
2.なじみのない単語(wheelbarrowとか)
3.不自然な言い換え(自転車をvehicleと呼ぶ等、ムダに上位概念化する)
このうち1.は動詞の用法の知識とリスニング力が問われるため、きわめるのはかなり大変です。
一方、2.や3.は「知っているかどうか」だけです。ちゃんと事前対策すれば確実に失点を減らすことができます。
パート2
10月の試験以後、
「TOEICでもっとも難しいのはパート2じゃないか?」
と思うようになりました。あるいはパート4。
どちらも、「リスニング力」と「情報処理能力」に加えて、
「想像力」
が問われる難問が出されます。一瞬で会話のシチュエーションを把握できるスキルが求められるということです。
パート3は会話のやりとりの中で手がかりが示されるので、パート2や4と比べると会話のシチュエーションを把握するのは楽なほうです。
10月の試験でも、パート2で全問正解する対策は存在しない!と思えるぐらいに難しさを痛感しました。聞き取れていて、意味もわかるのに、正解がない。どれも消去法で消去されてしまう。
パート2の対策としては、
1,確実にすべての選択肢を聞き取れるようにすること。
2.「間接的な応答」のパターンを脳内に蓄積すること。
3.本試験では、完全にしっくりする選択肢がなくても、少しでも自然なやりとりになるものを選ぶ。
これくらいしかないみたいです。
パート4
パート4も、確実に毎回正解できる学習法は存在しないのかも知れません。会話のキャッチボールがないので、シチュエーションをつかめないトークだと本当にわけがわからないまま聞き終わります。
トークからシチュエーション(どこで何をしようとしているところなのか)をつかめるかどうかについては、「想像力」、「常識」、「空気を読む力」などの比重が大きいようです。こういったスキルは、単純なトレーニングで身につくものではないですね。
また、「先読み」(トークを聞く前に設問を読むこと)は、「木問題」(詳細を問う問題)に対しては極めて有効ですが、シチュエーションを把握するのにはあまり役立ちません。トーク自体がそもそもなじみのないものである場合、いかに先読みしても、設問からトークの場面を想像するのは困難です。というか無理でしょう。
パート4を落とさないための対策は、
うーん…
先読みをしたうえで、集中して聴く。
そのためには、パート1〜3を確実にこなす。特にパート1を全問正解する。上で書いたとおり心理的に有利な状態を保つためです。
このくらいしか思いつきません。
少なくともパート1対策を十分にして自信をつけておくことは有効な対策だと思います。
パート5
パート1がリスニング全体の出来に影響するのと同じく、パート5をスムーズに解き進むことがリーディングにとってどれだけ大切か、いまごろになって実感しました。
パート5で必ず全問正解する方法はないのかもしれません。990点ホルダー小説家・清涼院流水先生は、次のように書いています。
TOEICイベントでカリスマ講師たちにお会いした際、ぼくは必ず、Part 5&6で全問正解するには、どうすればいいですか?」と質問するようにしているのですが、「残念ながら、そのための決まった方法はない」という答えで全員が見事に一致していました。
TOEICテスト300点から990点へ、「7つの壁」を突破するブレイクスルー英語勉強法
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それでも、パート5はしっかり時間を投入して完璧を目指す価値があると私は思います。
パート5の基本は品詞問題のような「構文視点」で解く問題で、初級者はもちろんそういった構文視点の問題を確実に取ることを目指すべきです。
力がついてくれば、「文脈視点」で接続詞を選ぶ問題や、語彙・語法の習熟度を問う問題などにも対応できるようになるため、速く・正確に文章を読む力がついてきます。
そうなると当然パート6や7でも、「虫食い」的な読み方から「根拠を見つける」読み方ができるようになり、正答率が上がります。
つまりパート5を極めることでリーディングパート全体が恩恵を受けるということです。
さらに。
読解力が上がればリーディングパートで時間的余裕が生まれるので、その余裕分をパート3・4での「リスニング中はマークシートに印だけつけておき(先読みするため)、リーディング時間を使ってマークをちゃんと塗りつぶす」作戦に使えます。
すなわち、パート5を極めることはリスニングのスコアアップにもつながるのです。
このことを、私は「900点特急Ⅱ」の音読を実践した経験から知りました。
そして「900点特急Ⅰ」の音読も開始したことは前の記事で書いたとおりです。
私はそれでも飽き足らず、他のハイレベル教材も使ってさらにパート5を万全にしようと決めました。
11月のTOEICに向けて
上に書いたようにパート1、パート5を万全にする対策を始めたのでした。
(※この記事は、11月の試験が終わったあとに振り返って書いています。)
今後は11月の試験に向けて実践したことを具体的に書いていきます。