2018年10月のTOEICで980点を取得し自己ベストを更新したことを書きました。
話が前後してしまいますが、その試験に向けてやっていたことのなかで、「900点特急 パート5&6」の音読について今回は書きます。
Contents
改めて教材を買ってきた
「900点特急」自体はずっと前に買ってあったのですが、どっかに行ってしまいました。
それに新形式対応のリニューアル版が発売されていたので、リニューアル版の方を改めて買ってきました。
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「特急シリーズはコスト度外視で制作されている」と言われることもあるそうですが、この「900点特急」も、価格と比べて内容のクオリティ、使い勝手が素晴らしい超高コスパ教材です。
本書は、問題の難易度は当然高いものの、解説が非常に充実しているので上級者にとっても満足度が高いものになっています。文法上の正誤にとどまらず、語法・ニュアンス・コロケーションまで含めて解説されているのがすごいところです。上級者ですら落としてしまうパート5・6のハイレベル問題にフォーカスした教材として、すでに不動の地位を獲得していると言えるでしょう。
問題・解説の質もさることながら、音読教材として使えるコンテンツが用意されているのも特長です(著者・加藤優先生自身は、本書を使ったシャドーイングや暗唱を推奨しています)。
とはいえ実際に音読や暗唱を本気でやる人はきっと多くないだろうと思います。
私も990点を取った今では900点特急Ⅰ・Ⅱの音読は「ぜひやるべき」と言えますが、最初は音読するのが辛いなぁと感じたものでした。下の記事参照。
音読にちょうどいいボリューム
本書は1~5ラウンド+ファイナルラウンド+ボーナス問題で構成されています。
本書に収録されているセンテンスは、以下の通り。
・パート5:102問
・パート6:12ユニット(48問)
パート5だけなら、ある程度滑らかに読めるようになれば全センテンスを音読するのに30分もかかりません。
パート6ももちろん音読素材として使えますが、「文書」の形式になっている分、「文脈」の比重が多くなり、「構文」や「語彙」の要素の比重は相対的に低くなります。
よってパート6は割愛して、パート5のみ音読するというのもありだと思います。
(音読は反復してこそ効果の上がるものなので、自分がサイクル回しをしやすいように適宜、ボリュームを調整することも時には必要になります。)
空欄を埋めたセンテンス集が収録されているのが素晴らしい
本書の本体部分はTOEICパート5問題を解く問題集の形式になっていますが、巻末に、出てきた問題文の空欄を正答で埋めたセンテンス集が収録されています。
TOEIC本試験を意識してセンテンスを短く折り返したスタイルになっており最初は少し読みにくいですが、慣れてきます。
音読にはこのセンテンス集を使います。本当に音読をするだけです。
1st Roundなら、第1問から
A combined total of over $20,000 in proceeds ... last weekend.
と、テキストを見ながら音読をします。
音読開始当初はセンテンスを滑らかに読むこと自体が難しいので、センテンスごとに何回か反復して音読した後、次のセンテンスに移ります。
次のセンテンス(第2問)は、
Although unfavorable reviews by theater critics appeared ... its opening.
これも必要に応じて2~3回反復して音読します。
次は第3問。
Safety policy at the processing facility ... yesterday's accident.
これもやはり反復。
こんな感じで、愚直に音読をしていきます。
慣れてきて滑らかに音読できるようになってきたら、各センテンスを反復する回数を減らします。つまり慣れてくると1サイクル読むのにかかる時間が減り、負荷がどんどん軽くなっていくわけです。私はこの900点特急の音読では、最初のサイクルは2~3回繰り返しましたがその後は1回音読したらすぐ次のセンテンスに移るやり方をしていました。
私は音読した回数を記録するために、センテンス集のページごとに「正」の字を書いていました。
朗読音声が提供されているのも素晴らしい
本書では、空欄を正解で埋めたセンテンスの朗読音声(mp3ファイル)がダウンロードで提供されています。
音声は、各センテンスをアメリカ人男性・イギリス人女性両方のナレーターが順に朗読するものです。各センテンスを、TOEICリスニングパートと同じかややゆっくりな速度でストレートに朗読するだけの音声ですが、発音が確認できるので音読の練習をするには十分です。
やろうと思えばシャドーイングやオーバーラッピングにも使えますが、私はそのような高負荷トレーニングはしませんでした。あくまで音読前の発音の確認と、内容をイメージしながらリスニングする練習だけに使いました。
本書を音読するメリットは、空欄部以外の語彙・表現の獲得にあり
通常の問題集としての使い方(空欄に適した語句を入れる)をしていると、どうしても
「空欄を埋めるのに必要な情報だけを集めて、出来るだけ速く回答を選ぶ」
という行為に走ってしまいます。
しかし本書では、空欄部以外も含めたセンテンス全体がハイレベル・ハイクオリティなので、上記のような使い方ではセンテンスの持つ要素の全てを吸収することができません。
そこで、音読や暗唱を通してセンテンス全体を飲み込むような学習をすることで、総合的なリーディング能力も底上げされていきます。具体的には、パート5が速く正確に解けるようになる他、読解速度が上がり、パート6、7も速く解けるようになります。
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