音読中心の学習で、6月に受けたTOEICで970点を取得した後、9月の試験ではスコアが下がってしまったことを前に書いた通りです。
970点取れたので、このまま右肩上がりにスコアアップして、あわよくば990点を狙えるか?と思っていたところだったので多少落ち込みました。
いろいろ考えて、ぼんやりと次のような課題が見えてきました。
- 音読中心の学習方法に問題があったわけではないが、音読がやや機械的な作業になっていたかも。量とともに「質」も意識しないといけないかな。
- パート3・4は安定感のない解き方をしている自覚あり。取り組み方を固定したほうが良さそう。
- (非公式の)教材は聞き取りやすいプロのナレーターが担当している気がする。本試験では緊張していることもあるが、そもそも公式ナレーターのしゃべりは聴き取りにくいのではないか。
こんなとこです。
そして10月の試験に向けてやったことを書きます。
Contents
字面だけでなく内容を意識して音読とリスニングをするようにした
音読することでリスニング力が上がります。高速でリスニングしても聞き取れるようになるので、効果を実感しやすい学習方法として音読&高速リスニングはおすすめです。
しかし試験のときには、「聞き取れる」だけでなく情報を処理する能力も問われます。
私の場合、音読とリスニングが機械的な作業になりつつあり、この「情報処理能力」が停滞していました。
平たく言うと、「文字」あるいは「音」と「意味」を結びつける訓練がおろそかになっていた感じです。
この「意味を結びつける」能力は、頭の中で行われることなので訓練が難しいのです。私はこういう思考力、想像力の比重が大きい行為は得意ではありません。
対策としては、地味ですが次のようなことを意識してやりました。
- すでに何度も音読している文も、音読前にもう一度日本語訳を確認して意味を頭にいれてから音読する。日本語訳を読んで受ける「印象」を保持しながら音読する。
- スピードより質を重視してリスニングする。つまり、1.5倍とか1.7倍でリスニングするのはやめて、1.1~1.3倍程度で、内容をイメージしながらリスニングする。
※イメージといっても「絵」「映像」を思い浮かべるのではなく、英語を聴くときに、日本語で聞いたときと同じものを想像しているか?同じ印象を受けているか?を意識しながら聴くということです。なお、当然ながら「脳内で日本語に直す」のとは違います。
上のような「〜をイメージしながら」、「〜を意識しながら」というのは頭が疲れるので、必ずしもいつも出来ているわけではないです。
しかし私の場合、「聞き取れているのに意味が頭に入って来ない」という課題を抱えているので、苦手でもそういうのをやらないといけないかなと。
ちなみにシャドーイングなど負荷の高いトレーニングはやりませんでした。「負荷が高い」と感じるものは続けられません。
パート3、4は「先読み」スタイル確立に努めた
「先読み」とは、会話(あるいはトーク)が始まる前にその会話に関する設問を読んでおくことを言います。
これに対して「先読みをしない」とは、設問を読まずに会話を聞いて、聞き終わってから設問を読むスタイルです。
私の場合、パート3・4では先読みをするスタイルで臨むのですが、設問解答に時間がかかってしまった場合など先読みをする余裕がなくなってしまったとき、そのまま「先読みをしない」スタイルに移行するというやり方をしていたのです。
こういうポリシーのない取り組み方は長期的なことを考えると好ましくないと思い、「常に先読みをするスタイル」に固定することに決めました。
具体的には下記の手順を実行します。
- パート3または4開始時のナレーションが流れている間に、1つ目の会話の設問を読む
- 会話を聞き終わったら設問に回答する。ただしマークシートは全て塗りつぶすのではなく、選んだ選択肢が後でわかる程度に印をつけるだけにする
- 印をつけたら次の設問を読む。後は上記の繰り返し。
- パート4が終わったら(つまりリスニングパート全体が終わったら)マークシートの印をつけていた選択肢をまとめて塗りつぶす。
もちろんこの方法では、パート3・4最中の先読み時間を確保できる反面、マークシート塗りつぶしのためにリーディングパートの持ち時間を少し消費してしまうデメリットがあります。
しかし、リスニングパートとリーディングパートでは1秒の重さがまったく違います。
余裕を持って「先読み」をし、少なくとも「木問題」はあるか?何を問われるか?(場所、日時、問題点、理由…)を頭に入れてリスニングすることで、集中力をムダに消費せずリスニングパートをこなしていくことが可能になるのです。
※木問題…詳細を問う問題。特に「会議はいつ行われますか」など、手がかりの部分を聞き逃すとどうしようもない問題。
また、回答に手間取ってしまうことがあっても、先読みできないまま会話が流れて来てしまうというリスクを避けることができます。
それにパート3・4のマークシートをまとめて塗りつぶしても3分もかからないはずなので、リーディングで3分以上時間があまる人ならこの方法を積極的に使うべきだし、時間が足りない人でもリーディングをたかだか3問捨てる覚悟をすれば良いだけなのです。
ちなみに「先読み」含めパート3・4の戦略・戦術・テクニックは、下記教材が大変参考になります。
・全力特急 絶対ハイスコア(濱崎潤之輔先生)
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・サラリーマン特急 満点リスニング(八島晶先生)
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私はパート3・4関連の教材もたくさん入手しましたが、パート3・4で高得点を取るための方法論はこの2冊にほぼ凝縮されていると言えます。ぜひご参照ください。
公式問題集4を買ってきた
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買って来て、とりあえず1回ずつ解きました(2回分収録されています)。
しかしその後、この「公式問題集4」の使い方には悩みました。
というのは、この「公式問題集4」は非常に本試験に近い出来(問題傾向、難易度など)になっていると感じたので、
「実力確認用の模試教材として、とっておきたいな」
と思ったからです。アマゾンのレビューを見てみても、かなり本試験に近いと感じた人が多いようでした。
前に書いたように、聞き取りにくい公式ナレーターの声に慣れることが必要と感じてこの公式問題集4を買って来たのですが、何回もリスニングをしてしまうと問題を覚えてしまうので、当然実力確認用としては使えなくなってしまいます。
実力確認用としては公式のものを使うのか一番良さそうだからな〜どうしようかな〜と悩んで、結局あまり活用できませんでした。
900点特急1の音読も始めた
900点特急Ⅱのセンテンス音読は以前からやっていましたが、加えて900点特急Ⅰの音読も始めました。
(「Ⅰ」は実際にはついていませんが、900点特急Ⅱと区別するために便宜上「Ⅰ」をつけています。)
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以前書いた通り、当初900点特急Ⅱの音読は辛いと感じたのですが、何サイクルか回すと、ある程度スムーズに音読できるようになり、語彙力と読解力アップの効果が感じられるようになっていました。
6月の試験ではスコアは伸びなかったものの、リーディングパートでかなり余裕を持って最後まで解答できたのは、900点特急Ⅱを音読した成果だったと思われます(リーディング対策として特段やったことが他にないので)。
900点特急Ⅰ・Ⅱはセンテンス一つ一つは語彙レベルも高く構文も高度なものですが、トータルのセンテンス数は少ないためサイクル回しがやりやすいのです。
そして900点特急Ⅰは、Ⅱに出ていない語彙も豊富に含んでおり、内容が重複していません。Ⅱと合わせて音読することで、「本試験に出題されるかされないか」のボーダー付近の語彙力がかなり強化されます。
ということで900点特急Ⅰも、Ⅱと同じやり方での音読を始めました。(そもそもなぜ900点特急ⅡをⅠより先に音読していたかというと、以前から持っていた900点特急Ⅰがどっかに行って見当たらなかったから、というだけ。)
パート3・4の学習方法は試行錯誤が続く
パート3・4については、上記のように先読みを必ずするスタイルで行こうと決めました。
音読学習と、上記の先読みテクニックで、パート3・4のスコアをかなり安定化させることができます。
しかし、たまに出てくる難問奇問に常に対応できるわけではありません。
特にパート4ではシチュエーションの想像しにくいトークが出ることもありますが、そういう難問の類にも必ず正解できるようになる学習方法というのは結局のところ、ないと思います。
また、パート3・4の問題を解く練習自体は、実際はあまりやっていません。音読に費やした時間と比べると、設問を解く練習に費やした時間はわずかなものです。
マークシートをまとめて塗りつぶすのを忘れず確実に行う意識づけのために、通しでリスニング・リーディングを解く練習はやったほうがいいと思います。
しかし、問題集は1度解くと大半を覚えてしまい、緊張感もなくなってしまうので、何度も問題を解く意味はあまりないのです。
また、設問を解いたからといってリスニング力が上がるわけではありません。音読をしているほうがリスニング含めた英語力アップにつながるのは、このブログで何度も書いて来たとおりです。
次回も10月の試験に向けて実践したことを書きます。