「瞬間英作文」トレーニングを始めたことについて前回の記事で書きました。
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この「瞬間英作文トレーニング」の著者・森沢洋介氏は著書「英語上達完全マップ」の中で、自身の瞬間英作文シリーズと同様なトレーニングができる教材を13点紹介しています。
その中で、森沢氏が
「英語回路設置効果絶大!」
と絶賛している教材が、冒頭の画像の
「中学英語で言いたいことが24時間話せる」(市橋敬三著、南雲堂)
です。
市橋教材を入手
森沢氏が絶賛し、自身の主催する英語教室で教材として利用してきた本とのこと。ちょっと見てみたいと思ってアマゾンで注文しました。
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教材自体は、「瞬間英作文」の第1ステージと同じく、文法項目ごとに用意された短めの例文を使って、日本文を英語文に直す練習をするという内容です。下の写真参照。
私はどちらかというと教材の実践部分よりも、著者の思想(なぜこの教材を作ったのか?)のほうが気になっていました。
何十年たっても話せなるようにならない人とは?
本書の「はしがき」に、上の問いに対する答えが書かれています。
筆者は以前通訳をしていたとき、在日米人の家を訪ねる機会がよくあった。そこで働いていた日本人のメイドさんの例を紹介しよう。
筆者がそういう米人家庭のいくつかに行くといつも、「このことはどう言えばいいのですか」とメイドさん達に、英語に関する質問攻めにあった。質問される度に、24時間英語の世界にいるという事実にも拘わらず、メイドさん達の英語力の低さに驚き、行く先々のメイドさん達に一体年々働いているのかと聞いて、その長さに再度驚いた経験がある。彼女達は10年、15年も毎日24時間英語の世界にいるのである。しかし英語力はというと、極めて低かった。これは英語の基礎力のない人がただ英語の世界に住んでも、英語は進歩しないことを証明する生きた実例のひとつである。
(本書p.4)
筆者は約30年前に英会話学校を創立した。・・・レッスンは英米人が主に担当した。筆者も含めて日本人講師も担当したが、全員日本語を使わず、英語だけで指導した。開口した第1回目のレッスンの日は、どのクラスも満員(25名)だった。ところが2回、3回とレッスンを重ねるうちに、欠席者が目立ち1ヶ月もしないうちに、なんと1/3に激減してしまった。原因を調べてみたところ、受講生の基礎力不足で英語だけのレッスンがチンプンカンプンで、ついていけないということだったのである。
・・・英会話という、学校側も学生側も、英米人が指導することを当然視している。しかし、この姿勢に問題がある。英米人からのみの授業を受けて進歩できる人は、少なくとも英文法をよく知っているだけでなく、英文法を使いこなせる人なのである。
(本書p.4)
ということでなんとも月並みなのですが、英語を話せるようになる人とは、基礎(英文法)ができている人ということですね。
もしあなたが、フレーズ集や会話集で練習しているのに会話力が上がらないなー、と感じているなら、使っている教材が「文法要素を含む例文」で構成されているか?をチェックしてみると良いかもしれません。
シチュエーションごとの会話集などでは、「あいさつ」や「相づち」など、文法要素の習得にはあまりつながらない文例が多かったりします。
そういった「表現・フレーズ」を習得するための学習と並行して、今回紹介した「中学英語で言いたいことが24時間〜」とか、「瞬間英作文」シリーズを実践してみてはいかがでしょうか。