ロングセラー教材Simple English / Magic 81と、人気のネイティブフレーズ英会話教材Native Englishを独自に比較してみました。
どちらの教材も、私が実際に購入して評価しています。
教材購入を検討中の方は参考として読んでみてください。
教材コンセプト
それぞれの教材のコンセプトは次のようなものです。
■Simple English / Magic 81(以下Magic81)
・日常英会話ではたくさんの単語を覚える必要はないし、あれこれ色んなものに手を出すのは無駄。中学英語レベルで十分。 基本的な単語を使い回す技術を身につけ、どんどん使っていくほうが早く上達する。
・基本的な単語を使い回せるようになるためには、単語の持つ本質的な意味を理解すること。また日本語に対応する英単語をいちいち探そうとするのをやめること。
・英語のプロを目指す人以外は、ネイティブレベルの英語力を目指してはいけない。よく使われる単語で簡潔に話す「シンプル イングリッシュ」を目指すほうがいい。それでもネイティブ相手に問題なく会話できる。
■Native English
・ネイティブが実際に使うフレーズで英語を学ぶ。
・大人の日本人が外国語を学ぶのにベストな方法は?という考察から、リスニングとスピーキングを明確に別のトレーニングと考えて教材を構成。
教材のコンセプトは、それぞれ、上記のようなものです。
どちらの教材も日常英会話のマスターが目的なのですが、実際は狙いとするスキルがだいぶ異なります。
Magic81は、少数の(しかし重要な)単語をできるだけ活用してコミュニケーションを取ることを重視します。
そのためには基本の動詞、前置詞の本質的な意味を理解する必要があり、教材の主眼はその部分に当てられています。
一方、Native Englishは、会話シーンごとに実際に使われているフレーズ(というかセンテンス)をそのまま覚えて使っていこうという考え方です。
ニュアンスまで含めてフレーズを覚えることで、自然な口語表現ができるようになるという狙いです。
ただしNative Englishは、単なるフレーズ集ではなく、「聴く」、「話す」のトレーニングも重視しており、リスニング力やスピーキング力を継続的にレベルアップしていけるよう目的に合わせて最適化された音声が用意されています。
学習メソッド
■Simple English / Magic 81
Magic81では、基本的にテキストに沿って学習します。
前半は学習ノウハウ、マインドセット的な内容で、読むと英語学習に対する心理的ハードルが下がり、自信を持てるようになります。
と同時に、早く上達するためにはやってはいけないことも書かれています。
後半は実践部分ですが、実際やることは基本単語のいろいろな意味、使い方を学び、例文を音読して覚えることです。単語の根源的な意味を直感的につかみやすくなるようイラストも交えて解説されています。
■Native English
Native Englishでは、ネイティブフレーズを軸に英会話を学ぶわけでですが、具体的な学習メソッドとして、リスニングでは英語→日本語の順、スピーキングでは日本語→英語の順で聴くというのがポイントです。
これは日本語を習得している成人が英語を学ぶのに最適な学習法であると考えた結果、そうなっているそうです。
またNative Englishでは、「ニュアンス解説CD」という新しい試みがされています。
これはバイリンガルDJのスティーブリーヴァスさんが、ラジオ番組風に英語フレーズの解説をしてくれるというもので、楽しくトークを聴きつつテキストの要点を押さえた学習ができるコンテンツになっています。
教材の概要
ここでは、教材の概要(内容物)を見ていきたいと思います。
■Simple English / Magic 81
Magic81の教材内容は下の写真のとおりです。
テキスト1冊、CD2枚と、教材ボリュームは少なめです。
テキストはイラストも使いながら、見やすく書かれています。下の写真参照。
■Native English
教材を注文すると以下のものが送られてきます。
青いテキスト、CDが教材本編、赤いものは特典です。
テキストは、下の写真からわかると思いますが、とても小さく携行性に優れているのが特徴です。
ニュアンス解説が充実している、読み物的なコラムもある等、コンパクトながら高密度なテキストです。
教材のクオリティ、使いやすさ
どちらの教材も、使いやすさ的に問題になるところは特にありません。
あえて言えば、Native Englishのほうがテキストが小さくて携行しやすいので個人的には好きですが、家で学習する人はそうでもないかも知れません。
CDについては、Native Englishのほうが多彩な学習スタイルに対応してCDもたくさんついています。
CDが多いほうが良いわけではないので、そこで優劣をつけることはしませんが、Magic81はCDに工夫がほとんどないので、少し寂しいなというところです。
教材の取り組みやすさ、続けやすさ
Magic81はテキストを読んで理解し、例文を音読して暗記するだけです。
取り組みやすいしボリュームも少ないので最後まで実践するのも困難ではありません。
逆に言うと、学習の効果確認の方法がないのが気になるところではあります。
Magic81では、メールサポートは期間が3ヶ月間とあまり長くないですが、利用できます。
一方、Native Englishは、いろいろなパターンのCD音声がついており、幾つもの学習方法が考えられます。
テキスト内および公式サイトに標準的な学習方法ガイドが用意されているので、それに従って学習していけばいいでしょう。
ただし教材ボリュームが多いので、1ヶ月程度で全範囲を学習するのは厳しいと思います。
Native Englishでは、「挨拶」「自己紹介」「食事」など会話シーンごとのレッスンになっているので、頻出の単語、表現を関連づけて学ぶことができます。
海外旅行に行く人は空港や買い物の話題から学習する、とか、日本で外国人と話す人は自己紹介や家族についての話から学習するなど、好きな順番で学習していけます。
Native Englishでは、メールサポートは2年間、バイリンガルスタッフが対応してくれます。
サポート体制はとても充実していると言えるでしょう。
Native EnglishとMagic81の比較 まとめ。
Magic81は、単語をむやみにたくさん覚えようとするのをやめて、基本となる重要単語を深く理解し、使い回すことを学ぶ教材。
一方、Native Englishは、聴く/話す力を高めるとともに会話シーンにふさわしいネイティブフレーズ表現を覚えていく教材です。
基本単語の運用術を学べるMagic81も悪くはないのですが、両教材を比較してみると(価格差はさておき)、Native Englishのほうがいろんな面で充実しているといえるでしょう。
個人的には、完成度の高いネイティブイングリッシュをおすすめします。