人気英会話教材である「Hapa英会話」と「7+English ~60日完全記憶英会話~」を比較してみました。
どちらの英語教材も私が実際に購入して比較評価しています。
公式サイトにない独自視点の情報もこの記事に書いていますので、教材に興味がある方は参考にしてみてください。
まずふたつの英語教材の共通点から見ていきます。
Contents
Hapa英会話と7+Englishの共通点
・広い意味では、どちらの教材も「フレーズ暗記型の英会話教材」と呼べる
・言いたいことを瞬時に英語に直せるようになることが、教材の目指すところである(それがすべてではないが)
・ある程度のリスニング力、スピーキング力がある人が対象
・聞き流し教材ではない
このように、共通点はそれなりにあるのですが、目標とするところが異なるので、まったく違った英語教材になっています。
以下、対象者と目標レベルから比較していきます。
対象者、目標レベル
■Hapa英会話の目標レベル
Hapa英会話は、海外旅行で食事の注文をしたり買い物をしたりするとき、店員さんとスムーズに会話するために必要な英会話力をつけるのを目標としています。
別の言い方をすれば、現地の人とフレンドリーな会話を楽しむ英語力などは、範囲外となります。
■7+Englishの目標レベル
7+Englishは「日常会話レベルの英会話をマスターする英語教材」とうたっています。
具体的な目標としては60日で60パターン、600フレーズの英文を暗記することです。
特定の場面や話題についての会話ではなく、広く日常会話一般を扱っています。
どちらの教材も「初心者歓迎」的なことが公式サイトに書かれていますが、実は本当に初心者の人にはきびしいかもしれません。
初歩的なリスニング、スピーキング(音読)がおぼつかない学習者のための、音声面でのレッスンがないためです。
中学校で普通に英語を勉強した人ぐらいを想定している感じです。
教材のコンセプト
■Hapa英会話の教材コンセプト
・レストランやお店、ホテルのスタッフとの会話はだいたい流れが決まっている。
・個別にフレーズを学ぶのではなく、食事注文、買い物といった場面ごとの会話の流れを把握し、そこに必要なフレーズや表現に的を絞って学習すれば効率よく身につけられる。
■7+Englishの教材コンセプト
・日本人が英語をしゃべれない理由は、文法などを気にして、正しい文を毎回考えて話そうとするから。
・ネイティブはそんなことをせず、出来合いのパターンに単語を当てはめてポンポンと発しているだけ。
・よく調べたところ、日常会話ではそのパターンはたかだか60種類だった。これを暗記すれば英会話ができる!
二つの教材は、学習メソッド以前に、目指すものがまったく違っていることが分かりますね。
教材のメソッド
■Hapa英会話のメソッド
・豊富な会話例、DVD動画を利用し、会話の流れを把握する
・ロールプレイ学習(客というロール=役割に徹して会話練習をすることで、自分に必要な英語フレーズだけ効率的に覚える)
・教科書的表現ではなく、アメリカ現地のネイティブ英語フレーズで学習する
Hapa英会話は、高速や低速の英語音声をリスニングするような手法は使いませんが、会話の流れのイメージをつかむために動画コンテンツも含まれています。
学習方法自体はCD音声とテキストで学習するオーソドックスなスタイルです。
■7+Englishのメソッド
・厳選された60個の頻出会話パターンを覚える
・高速視・聴・読により右脳活性化状態で学習する
・400%学習法(記憶術)で記憶を効率よく定着させる
7+Englishは、決まった場面での会話フレーズではないため、会話の流れや文脈をつかむという練習はありません。
メソッドの主眼は、大量の英語フレーズを記憶するノウハウにあります。
次は、実際の教材の内容を見ていきます。
学習内容、ボリューム
■Hapa英会話の教材概要
Hapa英会話の教材内容は下の写真のようになります。
教材本編と同じ構成の特典がついています。
Hapa英会話では、1日30分で学習期間30日とされていますが、1日分の区切りがあるわけではなく、学習者にまかされています。
場面(カフェ、買い物、ホテルなど)ごとに独立しているので、自分の好きな順に学習していくこともでき、自由度は高いです。
■7+Englishの教材概要
7+Englishの教材一式は下の写真のものになります。
このほか、特典がたくさんダウンロードできます。
7+Englishの学習期間は、60日とされています。
教材の順番、分量を守って毎日学習を進める必要があります。(そうしないと教材の売りである「記憶術」が効果を発揮しない)
ただし1日分の学習量は7分程度で、それを1回の練習で何度繰り返すかは自分次第なので、飲み込みの速さにより個人差は出るでしょう。
次は、教材を使ってみた感想・印象も含めて、使いやすさやクオリティについて書きます。
教材の使いやすさ、クオリティ
■Hapa英会話
Hapa英会話は、少なくとも最初はテキストを読みながら学習する形になります。
テキストは大きめ(B5サイズ)です。
テキストの情報量がとても多く、あちこちに目移りしてしまいがちなので注意が必要ですが、アメリカ旅行ハウツー的読み物もあり、旅行旅行好きな人には楽しいと思います。
CDでの練習とは別に時間を取ってじっくり読むと良いでしょう。
下の写真はHapa英会話のテキストです。
CDについて、Hapa英会話では、通常速度の音声だけ(高速や低速の英語音声を使うメソッドは無し)なのですが、けっこう速いと感じるところもあります。
リスニング初心者はテキストを見ながら繰り返し聴いて、リピーティングして慣れるしかありません。
ただし、あまり長い(ワード数の多い)セリフはないので、その点で挫折することはあまりないでしょう。
学習者が話す練習をするパートではしっかりと空白時間を確保してくれています。その点はありがたいです。
■7+English
7+Englishは実用性重視の英語教材です。
テキストは、練習用のテキスト(フレーズと日本語訳だけが載っている)と、フレーズ詳細解説のテキストが分けられています。
分けるのなら、練習用のテキストは(通勤中見やすいように)小さくして欲しかったのですが・・・
テキストを読むのもメソッドの一部だから、小さくできなかったのかもしれません。
それにしてもB5版は、電車等で開きにくいです。
私はテキストデータにしてスマホのメモアプリに入れています。
下の写真は、7+Englishの練習用テキストです。
CDについて、「高速視・聴・読」メソッドということで1.5倍速と3倍速の音声が収録されているのですが、1倍速がありません。
ですので、リスニングが苦手な人は、最初ちょっとハードルの高さを感じるかもしれません。
テキストも目で追ってリスニング・音読するのがこの教材の正しい学習方法なので、耳だけに頼ろうとせずにしっかりテキストを見ながら練習するとよいでしょう。
取り組みやすさ、続けやすさ
ここでは、学習を続けていけるかという観点で、両教材について考察してみます。
■Hapa英会話
Hapa英会話は、7+Englishと比べると会話の場面、文脈がはっきりしているし、学習ゴールが見えるので学習を続けやすいと思います。
「すぐに使える英語を学習している」というイメージを持つことができるので、モチベーションを保ちやすいです。
ただし、読んだだけ、聴いただけで満足してしまうと会話が身につかないので、しっかりとアウトプット練習をすることが大切でしょう。
■7+English
7+Englishは、単発フレーズなので具体的な会話場面がイメージしにくい(どんな文脈でこのセリフが出るんだろうと考えてしまう)面があります。
それとやはり、単調なトレーニングになりがちです。
ただ、実際CDを聞いて口を動かしてみると、フレーズを覚えるのは意外と難しくないので、「おっ、けっこうやれそうだ!」という手応えが感じられて、だんだん楽しくなってきます。
続けていけば効果が出そうだ、と期待できるようになれば、学習を続けるのは苦にならないでしょう。
達成感がカギです。
それから、7+Englishはアップテンポというか、せわしない教材で、自分がしゃべり終わる前に次の音声が始まってしまう感じなので、もう少し余裕があってもいいかも・・・という印象もあります。
「高速視・聴・読」という実績のある七田式教育メソッドなので効果を信じて続けるのみです。
またこれは個人的な感想ですが、ひとつのフレーズを日本語→英語→日本語→英語→日本語→英語と繰り返して聞くので、英語だけを聞くよりも、記憶に残りやすくなっているように感じます。
スピークナチュラルをやっているときも、同じように感じました(スピークナチュラルも日本語と英語を交互に聞くメソッド)。
英語ばかり聞くのではなく、日本語と英語を交互に聞くことが、記憶するために有効なのかもしれません。
■サポートは?
Hapa英会話はサポートがないことが、他の教材に対して不利な点かなと思います。
7+Englishはサポートが充実していることが特長です。
7+English サポート内容
- メールサポート 3年間、回数無制限。7+English以外の質問も可。
- テキスト・CD永久保証
まとめ。どちらも優良英語教材。
どちらも、明確なコンセプトのもとに作りこまれた英語教材で、しっかりやれば効果が上がると期待できる内容です。
Hapa英会話は、学習者が実際の会話シーンを明確にイメージし、臨場感のある学習ができるように、さまざまな面で工夫がされている英語教材です。
工夫をする一方で、教材仕様の「割り切り」もすることで、教材ボリュームをうまくコントロールできています。
メソッド自体は、魔法の学習法ではなくオーソドックスなフレーズ暗記ですが、旅行英会話を身につけるには効率のいい方法と思える内容になっています。
基本的には店員さんとのお決まりのやり取りに特化した英語教材ですが、よく使う挨拶や感情表現などは、「これだけは覚えておきたい旅行英会話100フレーズ」としてまとめられているので、一応初歩的な日常会話はカバーされています。
アメリカ旅行に行く予定の人にはおすすめです。
そして、7+Englishは学習目標が明確(600フレーズ丸暗記)で、実践内容もかっちり準備されており、学習者は何も悩むことなくひたすらCDにしたがって練習すれば良いだけです。
学習スタイルについても、大量アウトプットをベースとした実践重視のものになっています。
記憶術の部分は洗練されていて実績もあるので、学習の進め方を理解して取り組めば効果は上がると思います。
フレーズごとにソートされたセンテンスを次々と読んでいく練習は、ランダムなフレーズ練習よりも学習負荷が軽く、大量反復しやすいため、長期記憶に定着させやすいというアドバンテージがあります。
とにかく「速く&大量に反復」がキーです。
日常英会話をマスターしたい人のファーストオプションとしておすすめします。
※オリジナル特典の詳細はこちらをご参照ください→7+Englishのレビュー