「同じ金を出すのなら、量が少ないよりも多いほうがいい」
こんな考え方で英語教材を選ぼうとしていませんか?
一般的には同じ値段なら内容が多いほうがお得なのですが、英語教材の場合は事情が違います。
「大ボリューム」を売りにする英語教材には注意が必要です。
大ボリュームの「内容」が問題
単純に「収録している語彙やフレーズの数が多いから大ボリューム」というのなら、特に初心者はその教材を避けるべきです。
お得でもなんでもありません。
そもそも英単語、イディオム、フレーズといった「語彙・表現」に属するものは無限にあります。
たくさん覚えたのでこれで十分、という段階がやってくることは永久にありません。
ですから、単に語彙・表現を多く収録しているだけの「ボリューム教材」を作るのは簡単です。
総量を制限された中で、必要性の高いものを一定の基準で厳選するほうが大変です。
大変な作業をユーザーの代わりにやってくれることが、英会話教材の存在意義のはずです。
消化できない「大ボリューム」は価値がない
大ボリュームを売りにするのなら、その大ボリュームをどうやって消化吸収するのかという手順もセットになっていなければ、教材としての価値が半減します。
現実的な期間で実践することができないようでは、その教材はユーザーにとって意味がありません。
「この教材は○○個の会話フレーズを収録しているので、日常英会話はもうバッチリです」的な英会話教材をよく見かけると思いますが、「バッチリ」になるのは、全部覚えて使いこなせるようになればの話です。
それらを覚えるまでどうやって反復するか、という観点が欠けていることが多いです。
ボリュームの多さで買ってしまう人はたいてい、教材を買っただけでその大ボリュームに満足して、何にも実践してない覚えてない使えない・・・そしてまた次の教材に魅力を感じ始めるというパターンでしょう(私自身もそういうのをいっぱい持っているので、自戒を込めて)。
大ボリュームの教材が悪い、あるいは買ってはいけないと言いたいのではありません。
大ボリュームの教材を買ってもいいですが、教材から効果を引き出すには反復練習が必要なので、大ボリューム教材を「セグメント分け」して、セグメントごとに反復をする必要があります。
そうすると教材の学習所要期間はかなり長くなるのが当然です。
すべて実践し終える前に飽きてきそうだと思ったら、最初からボリューム少な目なものを選んだほうがいいのでは?という提案です。
誰も書かない教材の選び方
選び方の一つの観点は、特に初心者であれば「覚えることを目的としない教材」を優先的にやってみるということです。
言い換えれば、「知識」ではなく「技能」を身に付ける教材ということです。
技能を身に付けるための教材とは具体的に言えば、発音、音読、瞬間英作文などの教材です。
これらの教材では、「ボリュームが多い・少ない」という議論は意味を持ちません。
知識を大量に蓄えることではなく、動作を何度も反復してアウトプットし、脳と身体に覚えこませることが目的になります。
これらの教材では、繰り返し繰り返しアウトプットをしていくうちに、
- 英語を英語のままで理解できるようになる。
- リスニングが楽になる。
- 構文がパッと出てきて英文をすぐに作れるようになる。
等々、英語を話すのに必要な回路や動作パターンが身体に取り込まれていくのを感じることができます。
そういう感覚こそが、英語学習を続けていくのにもっとも大切なものです。
気になる英語教材があったら、公式サイトで商品説明をよーく読んでみましょう。
- 英会話における何のスキルを強化しようとしているか明確に書かれているか?
- 発音、音読、瞬間英作文など、技能を習得するトレーニングが含まれているか?
- 大ボリュームを売りにしている教材であれば、大ボリュームの中身は何なのか?(収録内容が厳選されていない、制作者の手抜きの結果ではないのか?)
英語教材を紹介しているサイトはたくさんありますが、上記のような観点でレビューをしているサイトはほとんどありません。
良いことしか書かないサイト、公式サイトの文章を再編集しただけの(購入・検証していない)偽レビューサイトばかりです。
そういった無責任なサイトをあてにせず、もちろん当ブログに書かれていることも鵜呑みにせず、あなたが納得のできる教材をしっかり吟味して選んでください。