英語教材レビューブログ - 英語ッシュ 管理人のひろしです。
このページでは「24days English(24デイズ イングリッシュ)」を実際に購入して中身を評価した詳細レビューを書いています。
教材購入を検討している方は参考に読んでみてください。
教材制作者 島田勝弘さんとは?
慶応義塾大学文学部で西洋哲学および現代哲学を学ぶ。
オーストラリアで10年間、日本語教師をする。
オーストラリアで聴いたアルフォンソ教授の日本語学習法「アルフォンソ文法」に触発され、のちの「ロコモーティブ・メソッド」をひらめく。
1980年に帰国しテス英会話研修所を設立。
以後30年間に当校にて2万人以上が英会話を修得。
著書「英語が瞬間口から出る汽車ぽっぽメソッド」、他にも雑誌に寄稿多数。
教材の概要
教材はゆうパックで送られてきます。注文時に日時指定できます。
下の写真のように、段ボール箱ではなく厚紙の封筒でした。この教材はボリュームが少なめです。
品名は「冊子+CD2枚」と書かれていました。英語教材と書かれていないので少し怪しいかもしれません。
封筒を開けると中身はこんな感じです。教材のCD、テキストと、返品保証に関する注意書きが1枚入っています。開けてしまったら返品できないとかいろいろルールがあるようなので先に目を通しておいたほうがいいでしょう。
教材本編は次のような構成です。
■テキスト A5版 154ページ モノクロ
■CD 2枚
・CD1:英語のみ 37分
・CD2:日本語・英語 63分
教材本編は下の写真のものだけです。当ブログで紹介している教材の中ではかなりボリュームが少ない部類に入ります。
テキストは1冊のみで、コンパクトで学習者に優しいA5版です。
テキストの中身は下の写真のような感じです。字が少し細かいです。
ロコモーティブメソッドというだけあって、機関車のイラストがあちこちに出てきます。
テキストは学習ノウハウ、会話例、練習用例文、コラム(読み物)、応用レッスンなど総合的な内容になっています。
考え方や表現の選び方などについての解説にも多くのスペースが割かれており、理解しながら実践していける教材です。
機関車以外にもイラストがあるのですが、英語の解説をするためというより絵の内容から英文を作るワークをするためのものです。すなわちこの教材ではCDよりもテキストを見ながらの練習がメインになります。CDは発音やイントネーションを確認するぐらいにしか使い道がないようです。
■特典
・24Sentence Master Secret
-ガイドブック48ページ
-超特急マスターCD3枚(1倍速、1.418倍速、1.927倍速)
・TESS英会話スクール講師陣による30日間メール相談(商品到着日より30日間メールサポート、回数無制限)
・TESS英会話スクール 無料チケット3回分(TESS品川校でネイティブと英会話体験)
■全額返金保障
商品到着後24日以後30日以内なら全額返金(返送料はユーザー負担)
その他、教材の実物が到着する前に電子版がダウンロードできます。音声ファイル(mp3)が入手できるので(ただし特典含まず)、CDからmp3に変換する手間が省けるのと、テキストもpdfで提供されるので個人的には良いと思いました。
教材の詳細
「24days English」は、テキストとCDで構成される教材ですが、CDのほうは単なる音声集であり特筆すべき工夫(高速/低速リスニング)等はありません。リスニング練習と読み方の手本として使うのみです。
テキストを読んで理解し、与えられているセンテンスを自分で練習するのが学習のスタイルになります。
■第一章
第一章は学習ノウハウ的なコンテンツで、以下のようなことについて解説されています。練習するレッスンは特にありません。
・日本人が中学校で英語に苦手意識を持ってしまう理由
・英語が口から飛び出す4つのポイント
・日常生活で最も多く話される話題
・会話のキャッチボールをするために不可欠なもの
・英語力を身につけるための「答え方」
・日本人が英語が苦手な一番の理由と、それを克服するための学習法「ロコモーティブ・メソッド」
・必ず押さえておくべき(=これさえ身につけば英語が飛躍的に伸びる)2つの文型
■第二章
第二章はレッスンで、一日につき一つの表現(たとえば「~しましたか?」)について、「Conversation」(短い会話例)と「Pattern training」(10個の例文)で学びます。
「英子さん」と「島田博士」というキャラクターを通して、途中で表現についての詳細解説、例文中の語句の解説が語られます。
学習者がやることは音読、リピーティング、日本文英訳です。
目標としては10個の日本語例文を、1分以内にすべて英語に直せるようになるまで練習します。
これが24日分あります。
■Column1~4
島田氏の体験談を交えた雑談的読み物です。
子供と大人の英語学習方法の違いなどについても書かれています。
■第三章
第三章は、第二章の応用レッスンで、自分自身のことを題材に瞬間英作文をするレッスンです。CDは使いません。
教材の評価
1.教材コンセプトは明確か、それに見合った内容になっているか
評価:◎
教材のキーワードである「ロコモーティブ・メソッド」は、日本語と英語の語順の違いについての考察に基づく学習方法のことですが、テキストをよく読むとなるほどと納得できる、理にかなった考え方です。レッスンもそのコンセプトに沿って英語脳をつくる内容になっています。
2.教材は使いやすいか。テキストやCDのクオリティや使いやすさは十分か
評価:△
テキストはA5サイズで持ち運びやすく、構成も読みやすいです。
CDは単なる音声集ですが、ゆっくり目のスピードで聞き取りやすいと感じました。
ただ、女性のセリフ(日本語)を男性スピーカーが読んでいる部分があったりして少し丁寧さに欠けると思ったので、評価を△としています。
3.アウトプット(話す)量は十分か
評価:○
レッスン題材はしっかりと用意されているのですが、CDを聞きながらアウトプットする練習になっておらず、学習者がテキストを見て自分でアウトプット訓練をする必要があります。
学習者任せになっているのが少し残念なので、◎ではなく○にしています。
何かCDに工夫が欲しかったところです。
4.最後まで続けられるか、サポートはあるか
評価:◯
教材ボリュームは24日分のレッスン+αです。
ボリューム少なめですが、ボリュームが多いほど良い教材とも限りません。
この教材については、挫折しないように少なめのボリュームでまとめていると解釈しました。
メールサポートは教材到着後30日間なので、他の教材と比べて特に充実しているとはいえないようですが、全くないよりは良いかなと思います。
5.価格の妥当性はあるか。一般書籍に比べて優位性はあるか。
評価:△
価格は、内容に比べると少し高いなという印象です。
CD音声に工夫がない分、ほとんどテキストに値段を払っているということになります。
サポートや、無料でネイティブと英会話できるチケットもついているため法外な価格とは言いませんが、やはり他の教材と比べても高めです。
6.教材制作者、販売者は信頼できるか
評価:◎
開発者の島田勝弘氏(の英会話スクール)は、30年間、2万人以上に教えてきた実績があるので大丈夫でしょう。
24days Englishの残念な点/良いと感じた点
■残念な点
・CDに工夫がない点。音声と音声の間に空白時間がないので聴きながらリピート練習などができない。また常に英語→日本語の順なので英訳練習もできない。そのため価格の割高感が否めない。
・会話例はあるが、フレーズを練習するために作られた感が強い。自然な感じの会話を身につけるにはこの教材はあまり適していない。英語脳の鍛錬教材と割り切るしかない。
・SVO、SVCなど文型が出てくる(決して難しい内容ではないが)ので、文法用語アレルギーのある人は辛いかもしれない。
■良いと感じた点
・多くの人が英語で挫折してしまう理由とそれを解決する方法論について分かりやすく説明されており、教材のメソッドの背景が理解できるのは良い点。
・メリハリのない学習を延々と続けるのではなく、核心的なポイントを押さえた練習を徹底的にやりこむスタイルになっている点。例えば「会話はキャッチボールである(質問と返答で出来ている)」という考えをベースにしており、質問や返答を素早く発する力をつけることが強調されている等、会話力に特化していることは良い。
・CDがあまり役に立たないことを除けば、インプット(知識、学習ノウハウ)とアウトプット(練習部分)のバランスは良いと思う。
・ボリュームが少なめで、英語勉強がものすごく好きという人でなくても最後までやり切れる量になっている。
24days Englishが向いていない人
・中級以上の力がある人。
・CD無しで練習するのが嫌な人。自分でペースを作るのが苦手な人。
・聞き流し教材を求めている人。
24days Englishが向いている人
・英会話の最初の一言がなかなか出てこなくて悩んだことのある、初級者の人。
・ボリュームの多い教材で挫折するのが心配で英会話教材を買うのをためらっている人。
・CDに合わせて練習するのが嫌いな人(自分のペースでやりたい人)。CDが聞けない環境でも学習したい人。
24Days Englishの総評
24Days Englishの総合評価・・・評価C(良い点もあるがおすすめしにくい教材)
「英語をしゃべろうとすると、誰が・いつ・どこで・何を・した、というのをどんな順番でいえばいいのか考えてしまい、最初の一言が出ない」
「動詞の活用、時制、人称変化など文法がたくさんあって、中学の時点で英語が嫌になってしまった」
という人に、難しく考えなくても英語を話せるようになる学習方法を教えてくれる教材としておすすめです。
この24Days Englishでは、なぜ多くの日本人が英語を話せるようにならないかという疑問について、日本語と英語の語順の違いに着目しています。
そして話せるようになるにはこういうトレーニングをすればよい、という方法論が分かりやすく説明されています。
ストーリー形式などはありませんが、会話例、練習用例文、フレーズ解説、語句解説があり、インプット/アウトプットのバランスが取れているため、理解しながら英会話の練習ができる教材です。
CDは特に工夫がないのが残念ですが、むしろCDがなくてもトレーニングできるのがメリットともいえます。CD音声自体は割とゆっくりめで聴きやすいので、リスニングが苦手な人には聞き取り練習用として使えるでしょう。
おもしろい点としては、現在形→過去形→未来形・・・という順で学習する従来の学習セオリーにあえて逆らい、日常会話で多く使う時制・文型から練習するという思想です。
現在・過去・未来といった「時制」や私・あなた・彼という「人称」の変化で英語嫌いになる人が多いので、むしろこの教材の思想が正しいと考えるべきかも知れません。
教材制作者の島田氏が「世間では通用しない珍奇な英語に対する考え方」と自ら書いていますが、珍奇というより非常にユニークで新鮮な思想の学習方法という感じです。
教材内容は初心者向けですが、しっかりと「ロコモーティブ・メソッド」のレッスンをこなせば、とにかく「○○が△△をした」という短い英文をつくる英語脳が養成できそうです。
学習ボリュームも少なめにまとめられているので、大ボリューム教材では挫折してしまいそうな人はこの24Days Englishから取り組んでみることをおすすめします。